いよいよアメリカでの最大のセール期間、ブラックフライデーとサイバーマンデーの時期が近づいてきました。

現在も引き続き雇用と経済に大きな影響を及ぼしているコロナウイルスのパンデミックは、世界中のブランドに大きな打撃を与え、消費者の購買動向を大きく変えました。Neiman MarcusやLord & Taylorなど歴史ある大手デパートメントストアのチャプター11入りも続き、小売業界と様々なブランドを不安と不確実なものにした大きな年でもあります。一方、Williams Sonomaなどオンライン戦略数年前からいち早く投資をし基盤を築いていたブランドは勝ち残っている傾向にあり、今までのデジタルへの取り組み、またパンデミックになってからの柔軟さが、明暗を分けたといっても過言ではないでしょう。

そんな今年の、ブラックフライデー(11月27日)とサイバーマンデー(11月30日)(以下:BFCM)に向けて、各ブランドはどのような戦略を立てているのか、eCommerceのプラットフォームを提供するShopifyがShopify Plusプラン*の150を超えるブランドに聞き取り調査を行ったレポートを入手しましたので、米国においてECサイトを運営するブランドのBFCMへの戦略とその計画を紐解いていきます。

*Shopy Plusとは:
大量販売を行うマーチャントを対象としたShopifyが提供するプランの中で最上級プラン。本格的なECサイトの運営する中・大手企業の契約が多い。

Key Takeaways

1)消費者のオンラインでの購入急増とプロモーションの重視

2)セール期間を延長して実施する傾向

3)マーケティングへの予算アップ

1)消費者のオンラインでの購入急増とプロモーションの重視

今年のB F C Mの最大のポイントになるのが、消費者の購買動向の変化です。コロナウイルスの影響で、実店舗での購入は激減し、オンラインで購入する消費者が大多数を占めると予想されます。聞き込み調査の結果でも95%のブランドが店舗での売り上げではなく、オンラインでの販売が勝負になると回答していました。同時に、86%以上のブランドが今年は、昨年のオンライン販売の売り上げを上回るであろうと予想しています。ただし、オンラインでの売り上げの増加を期待する一方で、消費者の傾向としてより今まで以上の大幅な値下げが求められるだろうと90%以上のブランドが回答していました。

消費者の多くが、この機会にオンラインで新しいブランド探しなど今まで以上にリサーチをしている傾向にもあるようです。D2Cブランドの注目も高まっていることから、近年各メディアからもこのような注目のD2Cブランドを紹介するような記事もよく見かけるようになりました。

これらの現状から、D2Cサイトを今年新たにオープンしたブランドや、まだ知名度が低いブランドにとっては、消費者にとって魅力的なディスカウントやBOGO offer*を計画し、BFCMに積極的に参加することはブランドの認知度、そして新たなファンを獲得する有効な手段であると考えられます。

* BOGO offer :Buy one get one free
一つ購入するともう一つが無料でついてくるキャンペーン。アメリカではよく行われるキャンペーンの一つ。

2)セール期間を延長して実施する傾向

聞き込み調査結果によると、78%のブランドが何かしらBFCMのキャンペーンを実施すると回答しており、昨年よりも長期間でのキャンペーン実施を検討していることが明らかになりました。特にセール開始を早めて、ブラックフライデーの1週間前、またはもう少し早くから、開始することを計画しているブランドが多いようです。また、32%ブランドはサイバーマンデーを終えてもその週は引き続きBFCMのキャンペーンの継続を計画していると回答しています。

また、22%のブランドは今年はGiving Tuesday*とも絡めたイベントを催す予定とも回答しています。これは昨年の調査から6%増加しており、近年の時流も現れているようです。

*Giving Tuesday:
ブラックフライデーやサイバーマンデーのショッピングをするこの時期に、そのお金の一部を困難な状況で苦しんでいる人に贈ろうという、慈善活動を促進するために作られた日。サイバーマンデーの翌日の火曜日に開催されます。2012年にスタートして以来このムーブメントは広がりをみせており、昨年はNikeやMicrosoft,、Facebook、Patagoniaといった企業が参加をしていました。

3)マーケティングへの予算アップ

BFCM用の予算の内訳の統計調査によると、デジタルマーケティングへの内訳が68%と一番多く、次いで在庫に18%、配送&出荷に12%、そしてスタッフに2%と回答がでています。デジタルマーケティングへの予算をしっかりと確保し、売り上げの拡大に注力するブランドが多くなるといえます。マルチチャネルでのマーケティング活動を行うブランドが多く、その中でもEmail Marketing、次いでFacebook広告へ力をいれる傾向にあるようです。

上記の他にも、55%のブランドはセール期間中、配送無料キャンペーンを実施予定とも回答していました。カート放置で消費者が離れる一番の理由が無料配送ではないこと、と言われています。配送料無料がレギュラー化してきている中、D2Cビジネスの際の価格の作り方にも慎重になる必要がありますね。

普段セールをしないブランドも今年のBFCMセールスには参加するブランドも多いのではと話題になっていますし、当日に向けて各ブランドの動向をチェックしていきたいと思います。

Actus staff
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