TargetやWalmart、Whole Foodsなど大手小売店へ視察へ行くと、DTCブランドが取り扱われていることが増えてきました。

↑Targetの店舗で陳列されていたDTCブランドのHARRY’S, flamingo, そしてQuip

事実、DTCブランドにとっては、大手小売店と卸売契約を結び、店頭で商品を販売することで新しい顧客層を獲得、そしてブランドの認知度を大きく上げられることに繋がります。その為、多くのブランドが大手小売店との契約を目指しています。

DTCブランドとして顧客数と売り上げを伸ばした後に大手小売店とパートナシップを結び、卸売販売を開始することでその知名度と売上を一気に拡大させる 。この魅力的な「黄金ルート」にはやはりかなりのハードルとリスク、そしてストレスが伴うのも現実。

DTCブランドのガイドサイトのThingstestingが、大手小売店での取り扱い開始を成し遂げたブランドにインタビューを行った記事も参考にしながら、彼らのケースから学べる事象を見ていきます。

1. バイヤーを説得できるだけの、科学的根拠

アメリカにおいて、バイヤーは自分の首をかけて買い付けを行っていることは有名です。成功すれば昇進、その一方で自分が買い付けたブランドに問題があったり売上が伸び悩んだ場合は解雇に至ることも多いと聞きます。故に、自社の商品が新興ブランドの買取はバイヤーにとってもリスクが大きいもの。ただ、ブランドにとっては、その分バイヤーの権限や裁量権も多く、自社商品を扱う棚割を管理するバイヤーと出会えることができれば、あとはどうそのバイヤーを説得するかがポイントになります。

サプリメントブランドHilmaにとって、健康にかかわる商品であるからこそ、まだその安全性に疑問をもつ担当バイヤーを説得できるだけのデータや実績を準備し、バイヤーの信頼を勝ち取ることが難関だったと話しています。

Hilmaにとっては、①サプリメントの処方に関しては科学諮問委員会と協力して開発を行っていたこと、②ブランドローンチ前にシード資金を調達していた実績、この二つがキーとなり、バイヤーの信頼を得て、パートナシップ契約に繋げられたそうです。

2. 辛抱強くアプローチを続ける粘り強さ

小売店バイヤーと出会える機会で一番有名なものは、やはり展示会です。NYNOW(ギフト・ライフスタイルブランド向け)やThe Inspired Home Show(家庭用品ブランド向け)など専門店バイヤーから大手小売店バイヤーまで数多くのバイヤーが新規ブランドを探しに訪れます。

ビューティーブランドのThree Shipsも大きなチャンスを掴んだのはIndie Beauty Expoという、新興のビューティーブランドが集まる展示会だったと話しています。

大きな展示会では、大手バイヤーは名札を隠して会場を歩く傾向があります。実際私たちが展示会に出展している時も、何気なくブースに立ち止まった方と話をしていたら、Williams-sonomaのバイヤーだったことがコンタクト先を聞いて初めて分かったということもありました。Three Shipsもこの傾向を認識しており、名札を見せていない参加者にあえて積極的に話しかけることを続け、Wholefoods Marketのバイヤーと出会ったそうです。その出会いのチャンスを逃さないように、数か月に及ぶ必死の商談と各種データによる説得の後、店頭での販売にこぎつけたとのこと。

Wholefoodsは地域別でバイヤーが買い付けを行う、他の大手小売店とは違う仕組みを起用しています。まずはどこかの地域での販売にこぎつけ担当バイヤーを味方につけること、そしてそこでの販売データが良ければ、他の地域バイヤーが興味を持つという連鎖反応を起こす力があります。

また、フェミニンケアブランドのLolaも、Walmartとパートナシップ結ぶまで約2年間交渉に交渉を続けたと話しています。バイヤーとの出会いから如何に辛抱強くアプローチと続けるか、バイヤーが求めるデータを準備して説得まで持ち込むか。数年後を目指して、そこまでの粘り強さを持つことが重要といえるでしょう。

さいごに

もちろん、小売店側にとっても多くのファンや顧客を持つDTCブランドを店頭に取り入れるメリットも多く、小売店同士の戦いも激化しています。その為小売店側も実力のある新ブランドには目を光らせています。

まずはスタートラインに立つためにも、オンラインでの販売実績を着実に積みあげ、競合他社にはない自社の「ユニークさ」を確立しておくこと、そしていざ大手小売店バイヤーとのチャンスが来た時にそのチャンスを逃さないよう準備を進めておくことが大切でしょう。

Actus staff
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