アメリカのリテール市場で競合となっているAmazonとWalmart、今まではAmazonはオンラインショッピング、Walmartは店舗でのショッピング、商品価格の安さが強みというイメージが強かったのですが、ここ最近、パンデミック後から、この2社の境界線がなくなりつつあるといわれています。最近、Walmartが店舗での買い物だけではなくオンラインショッピングの機能の発達にかなり手を入れ始めてきています。
今回は、AmazonとWalmartの成長と今後についての違いを見ていきたいと思います。
①オンラインショッピングでは、今まで通りAmazonがWalmartよりも売上を上げているが、Walmartがオンラインショッピングの分野で早いペースで成長している。
- Amazonの2021年のグローバル予測総合売上は$468,000,000,000とされているに比べ、Walmartの2021年グローバル予測総合売上は$75,000,000,000とされている。
- この予測売上金額は去年に比べ、Walmartは89%増加、Amazonは去年に比べ16%増加という結果になる。予測金額はAmazonがまだまだ多い結果となるが、成長率をみると、Walmartのオンライン分野での売上がかなりの速さで成長していることが分かる。
下記は各社の売上、サブスクライバーの詳細です。

②Walmart Shopperと Amazon Shopper の違い。
- Walmartを好む消費者は、商品の価格の安さ、アメリカ市場でよく知られているブランド商品、インストアピックアップとリターンのし安さを重視している。
- Amazonを好む消費者は、Primeメンバーの機能(Prime video, Music, Audible などのサービス)ユーザーバリュー、送料の安さを重視している。
下記は過去3か月のカテゴリー別商品購入結果です。
- オレンジ→Amazon Prime メンバー
- ブルー→Walmart Plusメンバー

③今後のAmazonとWalmart
- Amazon Prime とWalmart Plusはファーストシッピング、安い商品価格のオファーなど、似たベネフィットが多いが、それぞれメンバーベネフィットが多少異なる。
Walmart:メンバーがインストアショッピングも行う場合が多い為、安いガソリン代のオファーや、より簡単なインストアチェックアウト機能のオファーを行っている。
Amazon:メディアストリーミングサービス(Amazon Prime Video) やスマートホームデバイス(アレクサ)など、オンラインで簡単に買い物を好む消費者に向けたサービスを提供している。 - AmazonとWalmartはそれぞれ違う方法でメンバーベネフィットやオンラインショッピング機能向上の為の投資を行っている。
Amazon:デジタルエコシステムの幅を広げている。(Twitchでのゲーミング、Amazonミュージック、Amazonスタジオ、ヘルスケアなど)アレクサ商品ユーザーを増やすことにより、より多くの消費者への広告のリーチ数を上げている。
Walmart:PintarestやMeredith社とパートナーを組み、レシピとWalmartオンラインストアを繋げ、レシピを読むのと同時に食材を購入できる様、Al-enabled meal planning機能を取り入れ始めている。Walmartコネクトパートナーシップにより、彼らの広告をより多くの消費者にリーチするよう取り組んでいる。
さいごに
インストアショッピングを好む消費者がまだまだ存在する中、64%の消費者が今後はどんどんオンラインショッピングが中心的になるだろうと回答している為、今後WalmartとAmazonがどんな風に変化していくのか気になるところです。