P&G、Clorox、Reckitt、General Mills・・・世界の名だたる大手企業が、新ブランドとして “DTC Lookalikes” = 急成長をみせる若いインディブランドの「ような」 DTCブランドを立ち上げる、この流れが加速しているようです。

大手消費財メーカーが立ち上げたDTCブランド

どのブランドのウェブサイトを見ても、いかにもスタートアップ企業によるDTCブランドに見えますが、下記に紹介するブランドはすべて、大手企業によって作られたブランドです。近年のDTCブランドのトレンドを取り入れたウェブデザイン、コピーライティング、商品パッケージになっており、本物のインディーズブランドと同じようにブランドが構築されています。よくよくAboutページや、プライバシーポリシー、利用規約を見ると企業名が出ていますが、これらの大手企業が背後にいることを知らずに購入している消費者も少なくはないといえます。

NBD Clean

・Launched by P&G(プロクター・アンド・ギャンブル )
・植物由来のクリーニングプロダクト

nbdclean.com

Kindra

・Launched by P&G (プロクター・アンド・ギャンブル )
・安全な素材で作る更年期周辺・更年期に悩む女性の為のプロダクト

ourkindra.com

Objective Wellness

・Launched by Clorox(クロロックス)
・サプリメントとウェルネスプロダクト

objectivewellness.com

Casa Home

・Launched by Reckitt(レキット:イギリスの大手消費財メーカー)
・アロマディフューザーキャンドルなどフレグランスプロダクト

Little Yawn Collective

・Launched by Reckitt(レキット :イギリスの大手消費財メーカー)
・メラトニンフリーの子供向け睡眠サポートプロダクト

littleyawncollective.com

なぜ大手メーカーが今DTCブランドを作るのか?

数年前までは、大手消費者ブランドは強力なサプライチェーンの繋がりを持っており、DTCブランドが増えてきてはいるとはいえ、彼らがもつ小売流通の力に比べると小さいものでした。

しかし、2020年から2021年にかけて、ほとんどすべての製品のカテゴリーで「DTC化」が進み、”DTCブランド戦国時代”へ突入します。今ではアイデアと少しの資金があれば、簡単に自社ECサイトを立ち上げることができるようになり、メーカーだけではなく、マーケティング会社や、インフルエンサー、学生に至るまで、自分のブランドを立ち上げてDTC販売しています。その多くがブランドミッションを掲げ、ストーリーを語り、そんなデジタルネイティブブランドに共感した、消費者が従来は使わなかったお金をそこに使っているのです。今や、消費者が普段使っているもので、ブランド名が出てこないモノにはまだまだDTCブランドが参入するチャンスがあると言われています。

結果、そのような個々の小さなブランドは、単独では大きな脅威となるほどの規模ではありませんがでしたが、”グループ”として市場シェアを奪っています。今や大手小売チェーンも、こぞって人気DTCとのパートナーシップを組むことでその顧客を取り込むことに必死なことからも、その影響力は火を見るよりも明らかです。

また、パンデミックの影響も大手メーカーにとって大きなきっかけとなりました。店舗で買い物をする顧客が減ったことで、販売チャネルとしてEコマースに機会を見出し、この流れに乗りむのは理にかなっていると言えるでしょう。

大手のパワーと脅威のスピード

そして注目すべきは、そのスピード感です。P&GがNBD Cleanを社内開発し、オンラインで発売するまでにかけた時間は10週間。また、オーラルケア商品で有名なコルゲートがZ世代をターゲットにして立ち上げた新DTCブランド CO.by Colgateも、12人の社員によるチームでデビュー製品の開発DTCサイトによる販売開始までを1年未満で行ったとデジタルメディアのGlossyで記事になっていました。

消費財メーカーだけではなく、大手飲料メーカーのPepsiCoによる新スパークリングウォーターブランドのSoulboost、大手食品メーカーのGeneral Millsによる新ヴィーガンチーズブランドのBold Cultr、と多方面の業界の大手企業がデジタルネイティブに向けたブランドを立ち上げています。

ヴィーガンチーズブランドのBold Cultr  先月ローンチしウェイトリストへの参加を受け付けている

ミレニアル世代を筆頭に、近年消費者は、ブランドによって販売されている商品だけでなく、社会問題についてもブランドとの関わりを求めており、自己表現を体現した製品や、メンタルヘルスやサステナビリティといった明確な“ミッション”を持ったブランドに引き付けられると言われています。以前のブログ、DTCホールディングカンパニーの記事でもご紹介したように、個性を持ったブランドをいくつも持ち、ターゲットを絞って販売する、この流れが大手企業の重なる参入で加速しそうです。

Actus staff
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