Carter’s (カーターズ)という子供服メーカーをご存じでしょうか?アメリカにおいて、新生児から2歳までの衣料品市場の全売上の約4分の1を占めている乳幼児向けブランドの最大手です。
「カーターズを着てベビーは育つ」とまで言われている、創業150年を超える老舗大手ですが、消費者の嗜好や社会的時流に合わせて常に進化をし、成長を続けている会社でもあります。
全米で418の自社店舗と自社ECサイトの運営、そしてMacy’s や BuyBuyBaby といった大手小売店・専門店を通じて商品の販売をしています。

Carter’sの店舗

サステイナブルへの移行を実現させる為に

子育てを行う親世代が、ミレニアルズ、そしてジェネレーションZへと移行していくと同時に、子供まわりの商品やブランドにも、よりサステイナブルなビジネス、商品が求められています。しかしながら、実店舗とオンラインの両方で大規模に事業展開をしている彼らにとって、より持続可能なビジネスモデルへと会社全体を移行させるのは、大きな事業となります。多くの決断も伴う為、顧客が真に何をもとめているのか、様々なデータと経験が必要になります。

そんな彼らがとった戦略が、新ブランド「Little Planet」をローンチし、そのブランドを用いて新しい素材やエコフレンドリーなパッケージを取り入れたテストを行い、環境問題に敏感な新世代の親世代の反応・データを取ることでした。そして、Little Planetで得ることができた実績や経験といった学びや顧客データを、彼らのメインブランドであるCarter’sの商品など、幅広い製品群に応用させています。

「Little PlanetはCarter’s社としてのデザインやパッケージ革新の為のインキュベーターとして役割を果たしており、単なる独立したブランドではなく、Cater’s社のコレクションのポートフォリオをテストする実験場でもある。」と、Carter’s社のSenior VP of corporate social responsibilityのAntonio D. Robinson氏がModern Retail社のインタビューでも回答しています。

Carter’sウェブサイト内、Little Planetブランドページ

Little Planetのアプローチ

Little Planetは2021年中旬にローンチされた、オーガニックやサステイナブルに重きを置いた商品の品揃えを提供する為に立ち上げられたブランドで、よりモダンなデザインで性別にとらわれないからパレットが特徴です。
前述したCarter’sの戦略でもあるように、サステイナブルに重きを置いた商品展開に積極的で、コレクション毎に新素材を試すアプローチをとっています。今春のコレクションでは、リサイクル素材の水着と靴を発売し、通常アパレルライン以外の様々なカテゴリーに対するサステイナブル素材を使用した商品への消費者の反応をみているそうです。

リサイクル素材を使用した水着のコレクションページ
今春に新発売されたリサイクル素材でできたサンダル

また現在Little Planetの商品はTargetの店舗でも販売されており、今後数か月のうちにKohl’s と Amazonでも販売開始の予定があることが発表されています。多くの小売店が、よりサステイナブルな商品の品揃えを増やしたいと考えており、Little Planetはそんな大手小売店の戦略に答えることにも一躍担っていると言えるでしょう。

「消費者は何を求めているのか」反復テストの重要性

現在Carter’s社はリーディングブランドであるCater’sを筆頭に、7つのブランドを展開しています。それぞれ展開戦略が異なり、それぞれのブランドで得られた情報や学びを共有することでシナジー効果を生み出しています。
常に消費者の嗜好や社会情勢に合わせて、新しい商品や素材、プログラムなどを研究、テストを行うことで、今消費者が何を気にして、何が欲しいのかを知ることはビジネスを進化させ成長させる為に大変重要です。

Carter’sがオンラインのみでのテストを行った後、現在一部店舗で試験的に実施中のリサイクルプログラム

アパレルなど小売店舗があるビジネスでは、店舗を用いてのテストとそれによる顧客データの取得・分析は、常日頃行われています。新商品や新プログラムを、旗艦店でテストし、成功事例を各店舗に広げるといった戦略は目にすることも多いかと思いのではないでしょうか。

ただし、店舗がないとこういったテストができないかというと、全くそうではありません。ソーシャルメディアや広告のインサイト、数量限定商品の販売、リピーター顧客優先の先行販売、商品企画段階でのソーシャル広告での消費者テスト、など、オンラインで仕掛けられるプロジェクトや販売戦略、それらから取れるデータや分析できる消費者の行動は多数存在しています。

「消費者が何を気にして、何を求めているのか」それを知る為に繰り返し、研究・テストを行い、得られたデータや学びをいかに活用させるか。多様性が広まる現代社会であるからこそ、マーケットを理解し、消費者を知り、顧客に近い位置で商品を売る、それが重要なのだと考えています。

Actus staff
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