今夏、大学卒業後の仕事に応募する学生は新しい専属面接コーチを活用できるようになるといいます。職務内容を送ると、その職務に合わせた面接の質問と回答、それに自分の答えに対するフィードバックを受け取ることができ、すべて無料とのことです。
AIで実在する大企業の100万以上のポストについて面接の質問を作成可能
求人検索エンジンの英アズナが提供するコーチは人間ではなく、「プレッパー」という人工知能(AI)チャットボット。実在する大企業の100万以上のポストについて面接の質問を作成できます。
例えば、国際会計事務所(PwC)の保険数理業務部門の大卒者向けポストについてチャットボットは、「保険数理コンサルタントはどんなスキルを持っているべきだと思いますか」といった質問を投げます。
ユーザーがある質問に答えると、プレッパーは回答を採点し、どの部分がうまくいき、何が欠けていたか伝えてくる、といいます。アズナ共同創業者のアンドリュー・ハンター氏は「採用を支援し、人が簡単に仕事を見つけられるようにする賢いツール」と分析。
ですが、チャットGPTはカバーレターを作成したり、雇用主になる可能性のある事業者のバックグラウンドを学んだりする出発点としては役に立つものの、応募書類を自分で書く代わりにはならなりません。英ケンブリッジ大学2年生のアユシャム・ナトさんは「企業はそこに人との関係を求めている。ウェブサイトに掲載されていない情報が書かれているといったことだ。こうしたものはAIモデルではなく、個人的な交流によってしか培うことができない」と語っています。
アズナのハンター氏も同意見、「AIは優れた副操縦士の役目を果たせるが、すべてをやってもらおうとするのはやめたほうがいい」との見解を示しています。
By Madhumita Murgia and Anjli Raval
(2023年6月18日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/)
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引用:https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD2113S0R20C23A6000000/