米国国土安全保障省(US Department of Homeland Security, “DHS”)は、8月1日付けで従業員の就労許可証確認書であるForm I-9の新しいバージョンを公開すると発表しました。

※新しいバージョンは8月1日にUSCISのウェブサイト https://www.uscis.gov/i-9 で公表                 NEW‼更新されました→https://www.uscis.gov/sites/default/files/document/forms/i-9.pdf

新バージョンは8月1日からの使用開始ですが、フォームの移行期間が設けられ、10月31日までは旧フォーム(右肩に”Expires 10/31/2022″と記載されているバージョン)の使用も承認されています。 ※但し、11月1日以降に現行のフォームを使用すると移民法違反となり、罰金の対象となる可能性がございますのでご注意ください。

【改訂のポイント】           

①COVID-19パンデミックの対応策として、一時的にリモートによるI-9プロセスが許可されていましたが、この制度は7月31日をもって終了いたしました。この対応策をご利用され、まだ実際の身元確認・就労許可証の確認ができていない場合は、8月31日までに行わなければなりません
E-Verify登録を行なった雇用主に対してのみ、リモートによるI-9プロセスの選択肢が与えられることになりました。(リモートプロセスに関する概要については以下)

※全米各地で従業員、派遣社員を採用するような企業は、今後、移民局からの査察が入る可能性がゼロではないことを考え、E-Verify登録をする必要があるので注意が必要です。

リモートプロセスに関する概要について

リモートプロセスを選択することのできる雇用主:リモートプロセスを選択することができるのはE-Verifyに登録済みで、E-Verifyシステムの適正な使用がDHSによる定期的な検査で確認されている雇用主です。

①書類の確認方法書類の保管義務:確認方法についてはある一定の注意が必要で、 書類は、すべての文書のコピーを、明確に読み取り可能な状態で保管する必要があります。

E-Verify システムとトレーニング について:E-Verify に登録する雇用主、および同雇用主のもとで E-Verify によるI-9プロセスを管理・実行するすべてのユーザーは、不正な身元・就労資格確認書の認識と雇用差別の発生を防ぐためのト レーニングを含む E-Verify チュートリアルを修了しなければなりません。

COVID-19対策としての一時的リモートプロセスを実施している場合:一定の条件を満たさない限り、8月30日までに書類を物理的に検査する必要があります。

I-9フォーム上での報告義務 :雇用主はI-9フォームの該当欄で、セクション2または再確認の際にリモートプロセスを使用したことを記入しなければなりません。

新しいフォームI-9の使用:リモートプロセスを使用したことを明示しなければなりません。

⑥E-Verifyシステムの適用ルールE-Verify登録による好都合な側面(Pros)と不都合な側面(Cons)について確認が必要です。

尚、E-Verifyのご登録は以下のウェブサイトにて行なってください。

https://www.e-verify.gov/employers/enrolling-in-e-verify/the-enrollment-process

新しいフォームでの変更のポイント

  • 現在異なるページとして構成されているSection 1(従業員が記入するセクション)とSection 2(雇用主が記入するセクション)が同じページに印刷されます。
  • 現在Section 1に含まれておりますPreparer/Translator Certification(未成年や英語が理解できない従業員のために他人が代理で記入した場合の代理人宣誓欄)が別紙のフォーム(Supplement A)になり、必要な場合のみ使用することができるようになります。
  • Section 3(就労許可証、氏名の変更、再雇用などの場合の再確認用のセクション)が別紙のフォーム(Supplement B)になり、同フォームが必要な場合のみに使用できるようになります。
  • 現在Section 1の“alien authorized to work”の表記が“noncitizen authorized to work”に変更。“noncitizen national” と “noncitizen authorized to work”の違いが明記されます。
  • タブレット等のモバイル機器による記入が確実にされました。
  • フォームをダウンロードする際のトラブルを軽減化するために、現在はN/Aの記入が必要な箇所などの特定の機能が削除されました。
  • 現行のフォームの冒頭部に記載されていますANTI-DISCRIMINATION NOTICEが改訂されました。

【アクタスでの更なる情報の日本語サポート】 

さらに詳細に日本語にて内容を確認されたい方、新しいI-9フォームのご使用に関してサポートの必要がありましたら、どうぞ、下記までメールにてお問い合わせください。

  mkato@actus-usa.com

よくある質問

Q:過去に入社し記入済みのI-9は差し替えるは必要ありませんか?

A:ご理解の通りI-9は雇用時に行うプロセスです。雇用中にI-9に関連しまして作業が必要なのは、氏名が変更になったり、就労許可証のタイプ等が変更になったり(例えばEビザからグリーンカードへの変更など)した場合のみですが、この場合は、新しいフォームは使わず、オリジナルのフォームのセクション3をご記入いただくものです。従いまして、既存の従業員の方々について、新しいフォームを使ってのプロセスを行なっていただく必要がございません。

by Manami Kato
人事マネージメントアドバイザリーサービス営業担当
    Kato Manami
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