ニューヨーク州のクレジットヒストリー利用禁止法

2026年4月18日より、ニューヨーク州で採用時のクレジットヒストリーの利用が原則として禁止される法律(S3072)が施行されます。本法は、General Business Law/Fair Credit Reporting Act の改正として成立した新しい法的用件ですが、条文の運用としては不当な差別行為(unlawful discriminatory practice)として取り扱う規定になっているため、差別禁止規制的な性質を持ちます。

この改正は、特に以下のような雇用主に影響があります。

  • 採用プロセスでクレジットチェックを実施している企業
  • 人事ポリシーや外部ベンダーとの契約にクレジット情報取得が含まれている企業
  • 金融や管理職など一部職種を除く多くのポジションの採用に影響

1.概要

2025年に成立したニューヨーク州法(S3072)により、雇用におけるクレジットヒストリーの利用が原則として禁止されます。

  • 施行日:2026年4月18日
  • 対象:ニューヨーク州内のほぼすべての雇用主
  • 規制内容:採用・昇進等におけるクレジット情報の取得・利用の禁止

本法は、従来ニューヨーク市で適用されていた規制を州全体に拡大するものである。

2.クレジットヒストリーの定義

本法で規制対象となる「クレジットヒストリー」には以下が含まれます。

  • クレジットスコア
  • 支払履歴(延滞・滞納等)
  • 債務残高・信用利用状況
  • 破産、差押え、回収履歴
  • クレジットレポートに含まれるその他の情報

3.禁止される行為

雇用主は以下の行為を行うことができません。

  1. 情報取得の禁止
  • 応募者または従業員のクレジットレポート取得
  • 信用調査会社への照会
  1.  利用の禁止

以下の判断にクレジット情報の使用禁止。

  • 採用
  • 昇進
  • 配置・異動
  • 解雇
  • 報酬決定
  • その他の雇用条件

4.例外適用除外)

同法はクレジット情報の使用を完全に禁止しているわけではなく、以下のような限定的な例外が認められています。なお、例外規定については厳格な適用が求められており、単なる「財務関連業務」への該当のみでは認められない可能性が高い旨をご留意ください。

  1. 法令に基づく義務

他の法律・規制によりクレジットチェックが義務付けられている場合

  1. 法執行・公共安全関連法令に基づく義務
  • 警察官
  • 法執行機関職員
  • 国家安全保障関連職
  1. 高度な財務責任を有する職種

通常、以下の条件を満たす場合は例外として扱われます。

  • 組織の資金や資産に対する実質的な管理権限
  • 多額の資金移動・決裁権限
  • 財務意思決定に重大な影響を与えるポジション
  1. ボンディング(保証)対象職

保証会社による信用調査が必要な職種

    5.ニューヨーク市との関係

    • ニューヨーク市では2015年に同様の法的規制の導入済み
    • 今回の州法はその内容を州全体に拡張
    • 市法と州法の双方が適用される場合、より厳格な基準が優先される

    6.法的リスクと制裁

    同法違反は以下のようなリスクを孕みます。

    • 不法な差別行為
    • 行政機関による調査・是正命令
    • 民事責任(損害賠償)

    雇用主は、コンプライアンス体制の適切な構築と維持が求められます。ニューヨーク市の雇用主は既に規制対応を進めているものと考えられますが、採用および昇進プロセスについて、改めて内部規程等の見直しを推奨いたします。

    7.雇用主に求められる対応

    1. ポリシーの見直し

    採用ポリシーで一律にクレジットチェックを行っている場合には、その適用条件を再検討

    1. ベンダー管理

    バックグラウンドチェック業者に標準の調査項目を登録している場合は、その内容を定期的な見直し

    1. 社内教育

    人事・採用担当者の教育

    1. 例外適用の管理
    • 例外職種の明確化
    • 文書化および監査対応

    8.実務上の注意点

    • 調査項目が「クレジット情報に該当するか」の判断は広く解釈される
    • 間接的な利用(例:信用問題に関する質問)もリスクあり
    • 他州・連邦法との整合性にも注意

    まとめ

    • 2026年4月18日から州全体でクレジットヒストリーバン法施行
    • クレジットヒストリーの利用は原則禁止
    • 例外は限定的かつ厳格
    • 違反は差別行為として扱われる
    • 雇用主には適切な対応が早急に求められる

    (本資料は一般的な情報提供を目的としたものであり、法的助言ではありません。)

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